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[本] おしらせ [本]
[1] このブログはルピナスの書く小説を押し込めたブログです。主に短編で、時に二次小説を含むかもしれません
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[3] 新連載「シェルティーとヒナの青い空」は、ブログ友達すずなちゃんのオリジナルキャラクターを許可を得てお借りして描いています。よってキャラクターの著作権はすずなちゃんにあります。
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[4] シェルティーとヒナの青い空 は、すずなちゃんの書くエル・ティリアとは別物になります。内容や世界観は繋がっておりません。管理人独自の勝手な妄想ですwあしからず。
byルピナス
*次回第6話は、6/15up予定です

4話 紅い羽 [シェルティーとヒナの青い空]

 「雛! 降りて来いよ」
 空を気持ち良さそうに飛ぶ雛を見上げて叫んだ。
 噴水広場の中央より外れた拓けた場所に、俺とエルシィと将軍であるディランは、円卓を囲んで座っていた。 その真上を優雅に飛んでいた雛が、ゆっくりと空を惜しむように、円を描いて降下してくる。
「ほほう、これはこれは……ヒナ殿は、シェルティ殿の言葉をしっかりと理解しているようですな」
 顎鬚をいじりながらディランが驚いた顔をした。
 実際には、なんでも言う事を理解しているわけじゃないが、なんとなく伝わってるような気はする。
「一応、お世話はしっかりしているようですわね」
 雛の様子が心配で、時々俺に説教じみた事を言うエルシィは、俺の頭の上の雛をみて安心したように頷いた。
「一応は余計だよ」
「それにしても、大きくなりましたなぁ」
「本当ですわね。羽の色も最近灰色になったばかりだというのに、もう新しく紅い羽が混ざっていますわね」
 エルシィの言う通り、雛の成長は早かった。空の飛び方も餌の取り方も、教えたわけじゃないのに会得してるし。これが、本能ってやつなんだろうか。
 拾った時は、白っぽかった羽も3ヵ月も経たないうちに灰色に変わって、最近また新しく紅い色の羽に生え変わろうとしているらしい。
「でも、この羽の色、とても綺麗ですわ。真っ赤というわけではなく、紅葉の様に太陽の光を織り込んだような赤ですわね」
「全身生え変わったら、それは見事な色彩をみせてくれるのでしょうな。なんとも楽しみですなぁ」
 のんきに雛を鑑賞する二人の視線は、常に俺の頭上にあった。
 両手で抱えないと持ち上げる事が出来ないまでに成長したっていうのに、雛は相変わらず俺の頭の上を指定席としている。成長した事もあって、足の爪が頭に刺さったり、結構重いから降りて欲しいのに、それだけは拒む。
 せめて、肩にしてもらいたい。
「で、ディラン。分かったのか?」
 俺は、本来の目的に話を戻した。
 顔が緩みっぱなしだったディランが、眉をひそめて唸る。
「……残念ながら、私の記憶にも覚えがないのです。資料室の蔵書も調べてはみましたが。この様に羽の色彩が変化する鳥などは、初めて見る鳥ですな」
 ディランはすまなそうに目を細めた。
「拾った場所へ行ってみたら、親鳥がいるのではなくて?」
「もちろん行ってきた。でも、巣はもぬけの空で、それらしい似たような鳥も見つけられなかった」
 そういえば、俺がグリファンを倒したのは巣の傍だった。たぶん、その時の衝撃で雛は落ちてしまったんだろうけど。
 できれば、早く親鳥か仲間を見つけて野生に返す訓練をしてやりたい。
「困りましたわねぇ」
 エルシィが、頬に手を当てて傾げる。俺も腕組をして考えたが、何の案も浮かばない。とりあえずは、育てる事しかしてやれない。本来なら、仲間とのコミュニケーションやら、敵を認識して防衛する知識やらを学ぶ必要があると思うけど。
「引き続き、私の方で情報などを集めておきましょう。シェルティ殿は、なるべく野生に近い育て方をするという事で、今はどうですかな?」
「まあ、それしかないんだろうな」
 嘆息した俺は、椅子の背にもたれて噴水へと視線を向けた。小さな噴水だが、シンボルの彫刻を濡らす水飛沫が、太陽光を反射して眩しかった。
 ふと、噴水の向こう側に見慣れた服装の人影を見つける。ディランと同じ軍隊の制服じゃないだろうか。随分と慌てた様子に見えるが。
「将軍! ディラン将軍! 大変ですっ」
「ん? なんだ? どうした? そんなに大声で」
「将軍、こんなところにいらっしゃったんですね……」
 駆け寄ってきた黒髪の青年は、乱した息を整える間もなくまくし立てた。
「出たんです、森に! グリファンがっ!」
「なんじゃと!」
 グリファンと聞いて、俺も落ち着かなくなった。
「南東にある憂彩(ゆうさい)の森です。今、第2小隊が防衛に当たっていますが――」
「そんな少人数じゃ対応できないだろう! ディラン行くぞ」
「はっ……いや、シェルティ殿はこちらに控えていて下さい。たかだが猛獣1匹、私一人で十分でしょう」
「いえっ、グリファンは2匹です!」
「なにっ!」
 青年の言葉に、さすがのディランも顔をしかめた。
「仕方ありませんね、私も参ります」
 厳しい顔をしてエルシィが立ち上がる。
 俺達3人の動きを見た青年は、どこか安心した面持ちだったが、状況はそんなに甘いものではない事くらい容易に想像できた。
 俺達は青年の案内で駆け出す。
 雛は、そんな俺の頭上を散歩にでも付いてくるかのように飛んでいた。






第4話 紅い羽 をお届けしました(*'-')
これといって、すごい変化のあるシーンでもありませんでしたが(゜▽゜;)
ヒナがだいぶ大きくなってきています。
両手で持ち上げるというのに、頭の上に乗るんだろうか?w とか思ったりww
でも、ヒナのお気に入りはシェルティの頭の上なので、仕方ありません
もっと大きくなったらどうするんだろうね?

ヒナについては謎だらけです。一生懸命ディラン将軍が調べてくれていますが
ぜんぜん、分かりませんw
エルシィは、未だにヒナがシェルティになついていることが不思議でたまらないようですが
ほのぼのしたシーンはこの辺で終りになりそうです
次話は、戦闘シーンかなぁ(゜ー゜;)
苦手分野なので頑張ります('◇')ゞ

それでは、今回も最後までお付き合いくださってありがとうございましたm( __ __ )m
いつもコメントや応援まで頂き、感謝しつくせません

また、楽しい説話をお届けできるよう精進したいと思います
読んでくださってありがとうございました。




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コメント 4

K-STYLE

やっふ~(・∀・)/
さっそく読みにきたですにゃ~。
ヒナちゃん、すくすくと大きくなってるにゃ~(゜◇゜)ほえ~
シェルティしゃん、首が鍛えられていいかも~。
次は戦闘なのでふね~。
第一話を見る限り、臨場感あふれるスリリングな展開に・・・
・・・と、さりげなくハードルを上げるかっぱだったり(゜ΨΨ゜)ししし
でもでも、ほんとに大丈夫だと思うにゃ~。
楽しみ~(*・ω・)ノ"
by K-STYLE (2010-05-10 20:05) 

ルピナス

かっぱちゃん(*´Д`*)ノさっそくありがとう~w
すくすくと成長しているよ~ん
そうか、首が鍛えられるねwww
ひぃぃwハードル上げないでorz;
戦闘シーンを書くのは緊張するにょ><;
臨場感とスピード感を大事に描写してみるです~
お楽しみに~(´∀`)ノ

by ルピナス (2010-05-11 11:14) 

TSO

シェルティさん、帽子でもかぶりましょう。ヒナの滑走路として。
#鷲みたいな爪だったらそろそろ大流血しそうでこわいですョ。
エルシィさんも実は強い人?戦場に自ら赴こうとは・・
戦闘シーン、楽しみにしてますよー。第1話よかったですもん。

by TSO (2010-05-12 00:07) 

ルピナス

TSOさん☆
お返事が遅くなってしまってすみませんヽ(;・ー・)ノ
帽子! なるほどw 滑走路とはいいアイデアですね
そろそろ爪が食い込みそうで怖いですしw
戦闘シーン頑張りますよ~(´∀`) 緊迫感が伝わるように試行錯誤してみます
読んでくださってありがとうでした♪
by ルピナス (2010-05-24 22:00) 

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